内定者合宿を前後して、殆ど興味のないノンフィクション系を読んでおる。
といっても殊更、真新しさは無くて、全て聞いた事のあるもの。
これもその1つ、EQ−こころの知能指数−ってやつ。
ダニエル ゴールマン Daniel Goleman
土屋 京子 講談社 (1996/07
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IQ=頭のレベル、と言ったところなのかな。EQ=心のレベル、だそう。
そして生涯で出会う人数を換算したら何人になるか分からないけど、
情感だとか共感だとかが何だか大切なことらしい。
そういえば昨日、どこかの小学校が似たような取り組みをしているそうで、
テーマは「相手の立場に立つこと」、内容は、
給食当番の花輪君が牛乳を持ってくるのを忘れて、
それに気が付いたマルコちゃんが持ってくるというシチュエーション。
どうするオレ!で、花輪がまさかの「余計な事すんな、ボケェ」で殴りかかって、
マルコが牛乳パックを雑巾に染みこませ、花輪のロッカーに3年隠すというもの。
というのはウソだけど、花輪はどうしたらベストアンサーだったか、
を5年生が考えるという、異常と言ったら異常な授業だった。
どちらも提起したいのは、あなたの心のレベルはどの程度ってなわけで、
内定者合宿も若干含めてこの2週間をレビューしますよっと。
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ。
星の王子さまからの抜書き部分。
面白かったのは第1章のエピソード。
頭では、種の保存、心では子供への無償の愛、ということでしょうか。
加えてギリギリという場面でこそ、心の真価が発揮されるということ。
一方は感じる知性による理解、もう一方は考える知性による理解。
私達の頭の中には、2種類の知性が存在する。
プラス、
感情は理性によって、理性は感情にとって、
不可欠なパートナーだ。
そうそう、それと時として、両者は対立する、
という文言をここに含めるべき、と思った。
情動によるハイジャック
全然、引用すべきではないところなのだけど、
ただあまりにも多く使われていたので、気になった箇所。
感情によって、私達はまず大まかな方向性を与えられ、
そこで初めて論理的知力を発揮できる。
これ困るんだよねー、自分にとっても他人を見てても。
「なんでそう思うの?」っていうソースがない以上、
説明しようはないし、理解のしようもないわけで。
「ただそう思うんだ」っていうのは自分の論理であっても、他人には否。
せめて自分のソースと導線を辿れたらなぁ、と内定者合宿で思った。
メイトが自分でない以上、しょうがないんだけど、悔しい。
感情は人生を豊かに色づける要素だ。
感情を排除した心理モデルは味気ない。
ポイントは味気ない、ってとこで、それで良ければそうしたら良い。
話は逸れるけど、人生に色を付ける要素は過去と未来ならどっちにあるだろう。
汝自身を知れ(中略)自己の情動を認識する能力は、
情動に関わるあらゆる知性の基礎となる。
メタ認知!
認識するには言葉が必要なわけで、そこで肝心なのは、
自分の快楽は、他人の快楽だとズレがあるってこと。
ただただ重要なのは、自分を積極的に理解しようとする人間は、
他人に対しても同じ姿勢で望めるとダニエルが言っている点。
苦しみも、創造性や高い精神力を養う力だ。
苦しみは魂を強靭にしてくれる。
悲しみを知っている人間の方が、人間らしさ、
すなわち愛情が滲み出ているというか、人間の味がする。
無論、楽しさを追求する人間も好きなんだけど。
怒りはもっともコントロールの難しい感情。
(中略)悲しみと違って、怒りを感じると元気が出る。
翻訳に若干のミスがある気がするが、この厄介な感情のメカニズムが理解出来た。
常習性の不安は結びつく創造的な現状打破とは逆の、
硬直した紋切り型思考であるという点で自滅的だ。
興味アリ。
女性の抑うつ病患者が男性の2倍、
男性のアルコール患者が女性の2倍。
笑った。
自分のやっていることに熱意や喜び-あるいは適度の不安-のような
情動による動機付けがあるかどうかによって、目標達成の度合いも違ってくる。
前に書いたビジョナリーピープルに重なった。
感じられないことが不幸なんじゃなくて、
感じようとしないことのほうが不幸だな、ともとれる。
加えて周りの人にももうちょっと頑張って欲しい。
僕の場合は周りの人のおかげで、意味のないことをした覚えがない。
楽観も希望も-その意味で無力感も絶望も-学習可能。
楽観は意思に属し、悲観は感情に属するいは言わず、
悲観も意思に属するのでしょうか、とすればそのメリットは?
フロー状態の人間は自分の行為を完璧にコントロールでき、
状況の変化にも完璧に対応出来る。
エナジーでもキャッシュでもフローが出続ける状態がベスト、
ってことで、やっぱりm-floは偉大だなぁと思った次第。
人間カメレオンは、自分の本心を口に出さず、
相手が反応を見せる前から意図を読み取ろうとして目を凝らす。
なるほどなぁ、と思う。個人的にグッときた。
人を威圧せんとする者は、すでに敗れたに等しい。
添えられたエピソードがとにかく素晴らしかった。
争いを収め、受け入れることこそ全てだそう。
否定的で敵対的な考え方を持って相手を攻撃すれば、
当然相手も自分を正当化しようとして身構える。
なるほどー、と思った。こうなればお互いが、
利根川の両岸から石を投げ合うだけで、イチローは別として当然届かない。
上手な喧嘩は結婚生活を豊かにし、
有害な思考を克服する機会になる。
上手な喧嘩・・・
以上が第9章までで、抜粋した箇所。
以降、9から15章の中で線引きしたのは、
扁桃核の中で凍りついたままの光景に達する方法の一つとして芸術がある。
の1点のみ。
後味の悪さというか特に子供に対する情動学習の章で疑問が多くて、
というのも僕に子供がいない点と、著者に子供がいない点(読み終えてから知った)、
の2つがたぶんその理由、そして何より子供=実験材料にしているところが、
個人的に悲しかったなぁと思って、感情が結果を産むのかなぁ、やっぱり・・・